村長日記
暑い夏
夏ですから暑いのは当然といえばその通りなのですが、特にこのところは暑いというより酷暑と云いたい程で、何回か暑さの記録が更新され、最近では38℃を超えるということで、この先一体どうなるんだろうかと気になるところです。この季節農地の少ない本村ですが、春植えられた水田には稲が青々と生い茂っています。この姿をいわゆる青田というもので、その上をトンボがスイスイと行ったり来たり・・・。ときに風が吹きわたると、稲はうねゝと揺れてまるで緑の海に波が立ったように見える。これを青田波と呼ぶのはいかにも日本人らしい美しい表現です。又、夏の涼を呼ぶ食べものソーメンは漢字では素麺と書きます。ソメンがソーメンとのびたのかと思うと、そうではなくて、さにあらず、もとこれは「索麺」と書いていた、それをそそっかしい人がいて「索」を「素」と書き間違えたのが起こりだといいますから日本語はややこしい・・・。
さて、農作物をはじめ森林そして総ての植物は、このサンサンと輝く太陽光を受け止め重要な役割を持ち、葉緑素をはじめ根から吸い上げた水と空気中の炭素ガスで澱粉という有機物と酸素を作り出します。これは豊かな森林を持つ山村が中心でないと出来ないことです。その山村は、人口の流失、産業の衰退という負の連鎖からなかゝ抜け出せないのが地方の現実で、自助努力だけで解決できない地方の財政の窮状も又同じ悩みであります。かつての総務大臣は村落の疲弊したのは、その人達の人生の選択で若者達が村を出ていった結果だといい・・・。都市と地方格差についても地方の努力不足だと極めつけたことには憤りをおぼえずには居られません。一体地方の実情をどれだけ理解しているのかと疑いたくなります。
我にから考えますと、若者達が勝手に出て行ったのではなく出て行かざるを得なかったのであります。
多くの都市が河口に形成され、その川の河口が健全であるためには、その上流を如何に健全に保つかを河口に住む人にも含めて真剣に考えなければならない時期が到来していると思います。上流がなくて下流の都市だけで生きていけると本気で思っている人がいたら大きな問題であります。 ただ、上流に住む我にも悠久の時代から、先人達が守り育ててきた、人と自然の歴史をしっかりと受け止め更に磨きをかけることにより、この先人達の偉業を偲ばせる豊かな森林が必ず訪れる人々にやさしく語りかけてくれることを期待したいと思います。
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